ブノワ・ブロワザ「故郷」
ブノワ・ブロワザ「故郷」
2018年10月06日(土) - 2018年11月03日(土)

ギャラリーヤマキファインアートは、新進気鋭のフランス人美術家ブノワ・ブロワサ(Binoit Broisat/1980- )の日本初となる本格的な個展を開催いたします。
イメージ生成のメカニズムをテーマにした、ドローイング、インスタレーション、写真、デジタルアニメーションなど多岐に渡る活動は、美術家クリスチャン・ボルタンスキーをはじめ、国内外から注目を集めています。
本展では、代表作《Bonneville》(2007、パリ市立近代美術館蔵)を中心に、日本で初公開となる2つの新作《Recollection》、《Furusato》を通じて、作家のこれまでと現在を概観いたします。

ブノワ・ブロワザはフランス東部のボンヌヴィルに生まれ、14歳まで同地で暮らしました。作家の故郷の名を冠する映像作品《Bonneville》は、おぼろげな町並みの記憶だけを頼りに描かれた約1,000枚のドローイングをアニメーション化した作品です。彼が肌で受け止めた感覚と体内に蓄積した時間の断片によって表された記憶のイメージの世界は、次第に見る者の記憶と交錯しはじめ、個別のストーリーを喚起します。クリスチャン・ボルタンスキーの目に留まった本作は、彼が発案した展覧会に出品されるなど、ブロワザの代表作の一点として日本でも紹介されました。
ボルタンスキーは本作について、「作者自身は自分の村のことを語っていても、見る者それぞれが『私の村だ』と思ってしまう。それがアーティストの作品の特徴だと思います。私たちの行為はすべて、個と集団との間にあるのです」と語ります。ブノワザの作品のコンセプトを端的に言い表したこの言葉は、本展でご紹介する2つの新作にも共通する重要なテーマを示しています。

新作のひとつ《Recollection》は、ブロワザの「記憶(力)」だけを頼りに、誰もが知るダビデ像やミロのヴィーナスといった美術品をミニチュアの彫刻として制作し、その拡大写真とともに構成される作品です。
彫刻は、イメージの儚さを象徴するかのように小さいながらも、その姿は彼のフィルターを通した像であるはずが、誰もが既存のダビデ像やヴィーナスを眼前にするかのような感覚を抱かせるユニークなものです。そしてその像を写真に収め、曖昧であったはずのイメージを拡大し、定着させることで、彼は個人の記憶と集団の記憶の関係に揺さぶりをかけます。

そして、最新作《Furusato》では、《Bonneville》で登場した家や車などのモチーフがゴム判となり、観客はこれらを用いて自分自身が思い描く故郷の風景を自由に再構成することができます。個人的記憶の構成要素は、スタンプという形をとることで簡略化され、普遍的なシンボルに変換されます。《Bonneville》から発展し、個々人の主体的参加という要素を強調した本作は、作家個人の記憶が集団の共有物となり、新たな「ふるさと」が生まれるプロセスを提示しています。

その他、会場には制作スケッチなども併せて展示され、作家の思考が生成される過程を体感していただけます。本展が、ブロワザの活動の軌跡を日本で体験する貴重な機会となれば幸いです。

*10/6(土)17:00-19:00作家在廊オープニングパーティを開催いたします。どなた様もお気軽にご参加ください。

 

ブノワ・ブロワザ

1980年ボンヌヴィル(フランス)生まれ。
パリを生活・創作の拠点とし、デッサン、写真、インスタレーション、デジタルアニメーションなど幅広い媒体を用いて制作活動を行っている。

2013年「Ghost Tokyo」アンスティチュ・フランセ関西
2010
年「六本木アートナイト」
2008
年「屋上庭園」東京都現代美術館
2007
年「La Chaine –日仏現代美術交流展」BankART1929

 

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