荒尾 純 展

荒尾 純 展<ロビンソン駅セルフポートレート>

荒尾純(1938-2002)は、美術品や芸術家の肖像を撮影する商業カメラマンとして出発しますが、渡仏を重ねるうちに、長年あこがれてきた花のパリに魅了され、フリーのカメラマンとなって、バーに集う人々や路地裏の家、昼寝する老人、休憩する労働者や公園で遊ぶ子どもたちなどを被写体に、撮影を続けました。
それらの写真は、一見すると、パリに生きる庶民や街のふとした瞬間をノートに書きとめたかのような、素朴で何気ないものです。しかし、その画面のなかには一つの街の中に生きる人々の驚くほど多様な表情やしぐさ、使い古されてにおいのしみついた部屋や建物、人間たちのなかでしたたかに生きる動物たちの姿がまざりあってパリの奥行きを伝えています。また、生涯異邦人としてパリという街の「刻のながれ」に寄り添って撮影された写真には、ときに撮影者である荒尾の影もあらわれて、見るものを案内しながら、過ぎ去ってしまったパリの時間を、静かに語り聞かせてくれます。
本展では、作家の没後、神戸での初回顧展として、数あるシリーズの中から、70年代のパリを主題にした作品をご紹介いたします。荒尾がポートレートを撮り続けた画家・小磯良平がいうように、「彼独得の手の平をつかって」描きとめられた荒尾の写真たちを、この機会にご高覧いただければ幸いです。


【主な個展】
1985「パリの窓・壁・道」大阪 サンストア写真サロン
1991「鳳蘭シルエット ' 78」開大阪 阪急百貨店,東京 福岡 富士フォトサロン
1992「ジュテ-ム・パリの裏街」東京 大阪 キャノンサロン
1997「今は、もうない・・パリの裏街」東京 大阪 キャノンサロン
1997「巴里 , 刻のながれ」ギャラリー新居ホテル日航大阪店
1998「KYOTO」パリ エスパースジャポン
1999「夢のあと」ギャラリー新居ホテル日航大阪店
2000「KYOTO」南仏トゥルーズ YEDO 当地では日本人初の個展となる
2001「巴里から京都へ」ギャラリー新居東京店
2002「フォトリズム展」ギャラリー新居東京店 / 大阪本店
【作者情報】
荒尾純

会期2011年09月09日(金) - 2011年09月30日(金) 休廊日 : 日・月曜日
開廊時間11:00 - 13:00 / 14:00 - 19:00  [最終日は17:00まで]
会場ギャラリーヤマキファインアート
所在地〒 650-0022 神戸市中央区元町通 3-9-5-2F
問合せTEL: 078-391-1666  FAX : 078-391-1667  MAIL: info@gyfa.co.jp
アクセスJR ・阪神 元町駅 西口より徒歩 1 分
料金無料