感性の地平 -沖縄から開かれる視覚の扉

感性の地平 -沖縄から開かれる視覚の扉

2025年12月4日(木) – 2026年1月31日(土) 

ギャラリーヤマキファインアートでは、沖縄に生まれ、あるいはその土地に深く根ざした独自の視座をもつ三名の画家
— 藤本英明、サトウユウ子、宮城クリフ — の絵画表現を紹介する展覧会「感性の地平 ― 沖縄から開かれる視覚の扉」を開催いたします。

本展タイトルにある「感性の地平」とは、感覚や情緒を通して世界を感じ取り、理解する際に広がる感受の領域を指します。
それは理性的な思考を超え、身体、記憶、心の深層と結びつきながら、私たちが世界と関わるための地平=境界であり、可能性の場です。

「沖縄」という土地は、光と風、海と大地が織りなす自然の豊かさと、歴史的記憶の層が共存する場所です。
その多層的な環境は、作家たちにとって単なる風景ではなく、感性を呼び覚ます生命的な場として作用します。
本展は、そうした土地のエネルギーが作家たちの内的世界と交差する瞬間を見つめ、
そこに立ち上がる新たな“感性の風景”を提示します。

<出品作家>

藤本英明 Hideaki Fujimoto
アクリルを塗り重ね、研削を繰り返す独自の技法で、時間の層と記憶の痕跡を描き出す。
《Layers of Color》シリーズでは、具象を離れ、色と質感そのものを探求。
光や風、水の気配といった自然の揺らぎをとらえ、絵画を「存在の呼吸」として立ち上げている。

サトウユウ子 Yuko Sato
深い青と透きとおる白が響き合う、空間的な詩のような絵画を描く。
白は余白ではなく、青と呼応しながら呼吸する場として機能する。
近年はオイルパステルによる小作品で、音楽的リズムと内なる生命の鼓動を描き出している。

宮城クリフ Cliff Miyagi
「沖縄」を主題にしながらも、固定化されたイメージを超え、日常の中に潜む風景を見つめる。
観光や郷愁ではなく、土地と記憶が交錯する「現在の沖縄」を描くことで、
場所の記憶と個の感覚が響き合う独自の視覚世界を築いている。

三者それぞれが異なる表現を通して、土地・身体・時間の関係を感性的に可視化しており、
その多様な実践は、沖縄という場所を越えて、普遍的な「感性の地平」を描き出しています。

そして副題の「沖縄から開かれる視覚の扉」は、作品との出会いを通して、観る者自身の感覚や思考をひらく契機を意味しています。
沖縄に直接的な関わりを持たない来場者にとっても、作家たちの視覚言語は、それぞれの内なる感性を映し出す“鏡”となり、世界を新たに感じ取るための“扉”となるでしょう。

この展覧会が提示するのは、特定の地域や文脈を越えて、
誰もが自身の感性の地平を拡張し、未知の世界へと向かうための第一歩です。
沖縄という場からひらかれるその扉の向こうには、個と世界、自然と記憶、内と外が交差する豊かな感性の風景が広がっています。


会期2025年12月04日(木) - 2026年01月31日(土) 休廊日 : 日・月・火曜日(冬期休廊2025年12月28日~2025年1月13日)
開廊時間11:00 - 13:00 / 14:00 - 18:00
会場ギャラリーヤマキファインアート
所在地〒 650-0022 神戸市中央区元町通 3-9-5-2F
問合せTEL: 078-391-1666  FAX : 078-391-1667  MAIL: info@gyfa.co.jp
アクセスJR ・阪神 元町駅 西口より徒歩 1 分
料金無料