キリコ展 mother capture

キリコ展 mother capture「mother capture」2016

ギャラリーヤマキファインアートは、2017年2月25日(土)から3月25日(土)まで、キリコ展「mother capture」を開催いたします。

キリコは1978年京都生まれの写真家・映像作家です。キリコはこれまで、自分自身にまつわる親密な人々を写真や映像として記録し、家族や配偶者などとの極めて私的な関係性を、繊細な感受性をもって作品に昇華する制作活動を行ってきました。そこでは、私/芸術家の区別は意味を失い、あるひとりの女性が見つめたドキュメンタリーでありながらも、それぞれの被写体の生の有り様が撮影者の切迫感と客観性という相反する視点を通して立ち現れることで、ある種の普遍性を伴って観る者の心を揺さぶります。

女性の妊娠と不妊をテーマとして制作された今回の新作展「mother capture」は、友人たちが母となった姿を複雑な思いで見つめる作家の葛藤が、作品制作の契機となっています。しかし、ビデオカメラを固定して撮影者不在で撮影されたその光景は、「私の個人的で主観的な想いから解放され、ありのままの現実を浮かび上がらせている様に思えた」とキリコは述べます。

弊廊においては初めての個展開催となる本展は、キリコの新たな展開を予感させるひとつの転換点ともなるべき展覧会です。今後更なる活躍が期待されるキリコの最新作をぜひご高覧ください。

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「mother capture 」

女性の幸せや生き方について自分自身の人生に重ねながら作品を制作している。
現在不妊治療中の私は、子供を作りたくても作れない悩みを持つ多くの女性のうちの1人でもある。

痛みを伴う治療や、家計を圧迫する高額な治療費、それに毎月生理がくるまでの期待感と、きてしまった時の絶望感を繰り返す毎日。さらには周囲からの期待を感じたり、友人たちが次々と母になっていく姿を見て、私は女性としての至らなさや、敗北感を感じずにはいられない。時々そんな気持ちが、私の全てを飲み込んでしまうんじゃないかと思う程大きくなることもある。

だけど母親になったばかりの彼女たちの姿は、私にとって希望やあこがれそのものでもある。私はより客観的にその存在を認識するために、自らの意志でシャッターを切ることを止め、ビデオカメラを固定してその場からそっと立ち去ることにした。撮影者不在の中で撮影されたその光景は、私の個人的で主観的な想いから解放され、ありのままの現実を浮かび上がらせている様に思えた。

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【主な個展】
2010「旦那 is ニート」(Port Gallery T/ 大阪、企画ギャラリー・明るい部屋/ 東京)
2011「フラストレーション」(Port Gallery T/ 大阪)
2012ギャラリープログラム「vewing_02 キリコ」(Port Gallery T/大阪)
2013「もの と ことば のポートレイト」(たんぽぽの家 HANA/ 奈良、 A/A gallery/ 東京)
2013「re collection」(Port Gallery T/ 大阪、 CROSSROAD GALLERY /東京)
2016「2 回目の愛」(gallery Main /京都)
2017「mother capture 」(Gallery Yamaki Fine Art/神戸)
2017「mother capture 」(WACOAL STUDYHALL KYOTO/京都)
2021「school goods 」(Gallery Yamaki Fine Art/神戸)

【主なグループ展】
2016SHASEN Art Festa(日本写真映像専門学校/大阪)
2017「リニューアルオープン展ーひょうごから世界へー」(兵庫県立美術館分館原田の森ギャラリー/兵庫)

【受賞歴】
2009第32 回キヤノン写真新世紀 佳作(荒木経惟 選)
2010ミオ写真奨励賞2010 入選
2015London International Creative Competition(LICC) 佳作
2021第18回京都現代写真作家展 京都写真ビエンナーレ2021大賞
【作者情報】
キリコ
会期2017年02月25日(土) - 2017年03月25日(土) 休廊日 : 日・月曜日
開廊時間11:00 - 13:00 / 14:00 - 19:00  [最終日は17:00まで]
会場ギャラリーヤマキファインアート
所在地〒 650-0022 神戸市中央区元町通 3-9-5-2F
問合せTEL: 078-391-1666  FAX : 078-391-1667  MAIL: info@gyfa.co.jp
アクセスJR ・阪神 元町駅 西口より徒歩 1 分
料金無料