ギャラリーヤマキファインアートはフリーズ・ニューヨーク2017の「Spotlight」セクションにて、戦後日本を代表する女性作家、三島喜美代をご紹介いたしました。三島喜美代(1932-、大阪生まれ)は1971年頃から、印刷物の活字をシルクスクリーンで陶に転写する立体作品を制作し、国内外で高い評価を得てきました。その創作活動は80歳を超えた現在でも継続して行われていますが、1950年代後半から70年頃までの初期の活動では、コラージュによる意欲的な絵画作品を多数制作し、とりわけ大きな注目を集めていました。
10代の頃から始まった三島の絵画制作は、1975年頃を最初の転換期として、それまでの具象表現から非定形なモチーフを絵具の飛び散りや盛り上げによって描く抽象表現へと移りました。 60年頃からは、蚊帳や毛布、新聞、雑誌など、身の回りの廃品をコラージュするようになり、中でも新聞や雑誌、広告などの印刷物は特に好んで用いられました。さらに1996年にはシルクスクリーンの技法が導入され、それらは後に制作が始まる立体作品の表現、技法へと発展的に受け継がれています。
フリーズ・ニューヨーク2017では、三島喜美代の60年代の貴重な絵画作品と、三島の代名詞ともなった陶の立体作品合わせて13点を展示いたしました。