三島は1950年代後半から60年代にかけて充実した仕事の端緒をひらき、今日まで継続して日本の前衛美術の最前線で活躍を続けてきた女性美術家です。
はじめ印刷物や廃品のコラージュによる実験的な絵画作品で大きな注目を集め、70年代初め頃からセラミックにシルクスクリーンで印刷物を刷った立体作品に転向し、今日まで制作活動を続けてきました。
素材を横断しながらも三島の作品には「氾濫する情報に埋没する恐怖」という現代社会に対する批評的な思考が通底しています。
三島がキャリアをスタートした時代は、雑誌をはじめとする印刷物が急激に増大した頃で、古くなればすぐさまそこに記載された情報もろとも「ゴミ」と化す現代社会のあり方や人間とのスリリングな関わりを顕在化させた三島の作品は、現在のわれわれを取り囲むメディアやインターネットなど情報にまつわる様々な課題をリアルに浮かび上がらせます。
---------------------作品情報
作者経歴
1932
大阪市にうまれる
1951
大阪市立扇町高等学校を卒業
1954
独立美術協会に所属(1969年まで)
1986
ロックフェラー財団の交流支援によりニューヨークに留学
主な個展
2023
「三島喜美代-遊ぶ 見つめだす 作り出す」岐阜県立現代陶芸美術館(岐阜)
2023
「CADAN:現代美術 2023」ギャラリーヤマキファインアートブース(東京)
2022
「三島喜美代展」銀座蔦屋書店 GINZA ATRIUM(東京)
2020
「2020年度第4回コレクション展:特集 三島喜美代」京都国立近代美術館(京都)
2020
「三島喜美代展」 ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
2018
「Works since the painting period :1965-」ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
2018
Anne Mosseri-Marlio Galerie(スイス)
2017
「Early Works」MEM(東京)
2017
「Newspaper99-NG」 ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
2017
フリーズ・ニューヨーク2017 ギャラリーヤマキファインアートブース(ニューヨーク、アメリカ)
2016
Taka Ishii Gallery(ニューヨーク、アメリカ)
2015
アートファクトリー城南島(東京)
主なグループ展
2024
「Here and There and Back Again, Japanese Art 1964 – 2024」Nicolas Krupp Gallery(スイス)
2024
「アーテイストに学ぶ世界のみかた」 芦屋市立美術博物館(兵庫)
2024
グループ展「レリーフ彫刻から立体表現」ギャラリーヤマキファインアー(神戸)
2023
「開館60周年記念RE:スタートライン1963-1970/2023,現代美術の動向展シリーズに見る美術館とアーティストの共感関係展」京都国立近代美術館(京都)
2023
「第11回円空大賞展 共鳴ー継承と想像ー」岐阜県美術館(岐阜)
2023
「台北當代2023」ギャラリーヤマキファインアートブース(台北)
2022
「ACK(Art Collaboration Kyoto)」ギャラリーヤマキファインアートブース(京都)
2022
「MOTコレクションジャーナルvol.2 」東京都現代美術館(東京)
2022
「森の色」展 ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
2022
「ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に」ポーラ美術館(東京)
2022
「戦後の女性アーティスト-1970~2017-」展 ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
2022
「Listening to Clay」Joan B Mirviss LTD(ニューヨーク)
2021
「Metamorphosis and Evolution 変容と進化」emmy art+ (東京)
2021
「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」森美術館(東京)
2019
「ELLE LOVES ART」展(東京)
2019
「こどもおとな―これ、なににみえる?」芦屋市美術博物館(兵庫)
2019
「山村コレクション展」兵庫県立美術館(兵庫)
2019
「台北Dangdai Art &Ideas」(ブース:ギャラリーヤマキファインアート)
2018
「コレクション2: 80年代の時代精神ツァイトガイストから」国立国際美術館(大阪)
2018
「三島茂司・三島喜美代」MEM(東京)
2017
「クロニクル、クロニクル!」クリエイティブセンター大阪
2017
「アートバーゼル香港2017」
2016
「台北アートフェア2016」
2014
「アイデンティティとオリジナリティ」兵庫陶芸美術館
2014
「Currents:日本の現代美術(クリスティーズ香港)
2012
「言葉と美術が繋ぐものー中原佑介へのオマージュ展」ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
主な受賞暦
2022
第11回円空賞受賞
2022
第63回毎日芸術賞
2021
令和三年度文化庁長官表彰
2019
第5回安藤忠雄文化財団賞
2019
Sardi per l’Arte Back to the Future Prize (イタリア)
2002
焼津市長賞
2001
山口県立美術館賞・市民賞、宇部市野外彫刻美術館
1996
彩の国さいたま彫刻バラエティ‘96大賞
1989
国際陶磁器展美濃'89陶芸部門銅賞
1988
日本現代陶彫展’88金賞
1974
ファエンツァ国際陶芸展 ゴールドメダル(イタリア)
1966
関西独立展 関西独立賞
1965
第9回シェル美術賞展佳作賞
1964
関西独立展 関西独立賞
1963
独立賞・須田賞受賞