Collection: Color Drops/ルイ・カーヌ

Collection: Color Drops/ルイ・カーヌ

ギャラリーヤマキファインアートではこのたび、「コレクション展/ルイ・カーヌ」を開催いたします。ルイ・カーヌ(Louis CANE, 1943-)は、1960年代末のフランスで起こった芸術動向「シュポール/シュルファス(支持体/表面)」に参加し、現在までフランスの現代美術を牽引し続ける美術家のひとりです。「通常、人が見ている絵画は絵の表面部分にすぎず、それは単に麻布に油絵具を塗った物体にすぎない。」という理論のもと、絵画の構造と絵の裏側を示すために、枠のないカンヴァスに同じパターンを繰り返し描く作品や、カンヴァスを切り開いて折りたたんだ作品などを発表しました。

「シュポール/シュルファス」の活動が終息していく70年代中頃からは、ジョットからセザンヌ、モネなどの伝統的や抽象表現の絵画の構図に基づいて、色彩豊かな半抽象絵画を描き始めます。「色彩上の経験と人生における経験とを一つに凝縮することを探求」するという方法論は、その後のルイ・カーヌの絵画の一つの指針となっています。

1994年には、「睡蓮とルイ・カーヌ」展(パリ、オランジュリー美術館)が開催され、印象派の画家クロード・モネの《睡蓮》の連作に触発された作品を発表しました。カーヌは、抽象絵画に向かう道を示したモネの革新的な表現を参照しながら、色彩を「存在」として認識するための方法を追求するなかで、それまで絵画では用いられてこなかった、アルミニウムやグラスファイバーの網に樹脂で彩色を施す作品によって、絵画の歴史に新たな可能性を提示しました。

本展では、ギャラリーヤマキファインアートのコレクションより、《睡蓮》のその先に迫ろうとした革新的な作品をご紹介いたします。軽やかなみずみずしい色彩に託したカーヌ独自の思考の実践を、是非この機会にご高覧ください。


【主な個展】
1969パリで初の個展(ジヴォーダン画廊)
1985シカゴ国際美術展に出品 彫刻作品初の個展を開く(パリ、ボーブール画廊)
1987ルイ・カーヌの未公開作品」展(トゥーロン美術館)で10年間(1977-87)の絵画作品回顧展を開催
1994個展「睡蓮とルイ・カーヌ」展(パリ、オランジェリー美術館)

【主なグループ展】
1964「再検討の場」展(ニース)に出展
パリ及びニースで「シュポール・シュルファス」展に出品
第7回パリビエンナーレに招待
1973第8回パリビエンナーレに招待される
1977ドクメンタ6(ドイツ、カッセル)に招待される
2018School of Nice From Pop Art to Happenings, Hong Kong
2018「モネ それからの100年」名古屋市美術館、横浜美術館
【作者情報】
ルイ・カーヌ

会期2023年06月01日(木) - 2023年07月01日(土) 休廊日 : 日・月・火曜日
開廊時間11:00 - 13:00 / 14:00 - 19:00  [最終日は17:00まで]
会場ギャラリーヤマキファインアート
所在地〒 650-0022 神戸市中央区元町通 3-9-5-2F
問合せTEL: 078-391-1666  FAX : 078-391-1667  MAIL: info@gyfa.co.jp
アクセスJR ・阪神 元町駅 西口より徒歩 1 分
料金無料