三島 喜美代 展

三島 喜美代 展

 ギャラリーヤマキファインアートでは、2020年10月3日(土)〜31日(土)に「三島 喜美代 展」を開催いたします。ギャラリーヤマキファインアートでの3年ぶり4回目となる本展では、未発表の立体作品を素材に用いた最新作を、三島が長年実現しようと温めてきた展示空間の中で展覧いたします。

 

 三島喜美代は、1960年代の新聞や雑誌、古布などをコラージュした絵画作品にはじまり、1970年代からは新聞や広告をセラミックに転写した立体作品を発表してきました。絶え間なくアップデートされる膨大な「情報」と、それに翻弄されながら生きる人間。その営みのなかで生み出され、無限に増大化していくゴミの行く末はどうなるのか、三島はその先に関心を向けています。時代の変化を肌で感じ取りながら、並々ならぬ好奇心で常に更新されていく三島のユーモラスな表現は、ダイナミックな時間や空間を取り込みつつ、近年さらに深化し続けています。

 

 会場の中央に林立する立体作品は、三島が岐阜県土岐市にアトリエを構えた1988年頃に構想し、未発表のまま三十数年間アトリエの屋外に置いていた作品を素材に用いています。年月を経て作品は風化し、物質的な変化を起こしながら、まさに「ゴミ」として、生々しい姿で三島の想像力を駆り立てました。物質が備えていた意味や価値などの「情報」は、時間の経過とともにはがれ落ち、ゴミの残骸が容器を打ち破り、自律的に増殖しているようにも見える魅惑的な作品です。

 また会場の壁面には、初期の活動から約60年間にわたり、三島が創作の拠点としてきた大阪十三(じゅうそう)のアトリエを撮影した写真パネルが貼り巡らされます。壁の所々には、日常と非日常を撹拌するかのように、アトリエから持ち込んだ日用品や三島の感性を刺激し続けてきた廃材が取り付けられており、鑑賞者は三島の思考の軌跡を巡りながら新たな眼差しで作品に対峙するようになります。

 

 三島が創作の拠点とする、土岐と大阪の「ゴミ」によって構成される本展は、時間の流れや空間的な広がりのなかで変容していく情報と物質に対する、三島の際立った思考の深まりを感じさせるものです。「命がけの”遊び”」によって生み出される三島の「ゴミ」は、見る者を巻き込みながら、躍動し始めます。ギャラリーヤマキファインアートでしか見られない、三島のサイトスペシフィックな最新作を、是非この機会にご高覧ください。

 


【主な個展】
2015アートファクトリー城南島(東京)
2016Taka Ishii Gallery(ニューヨーク、アメリカ)
2017「Newspaper99-NG」 ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
2017フリーズ・ニューヨーク2017 ギャラリーヤマキファインアートブース(ニューヨーク、アメリカ)
2017「Early Works」MEM(東京)
2018「Works since the painting period :1965-」ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
2018Anne Mosseri-Marlio Galerie(スイス)
2020「2020年度第4回コレクション展:特集 三島喜美代」京都国立近代美術館(京都)
2020「三島喜美代展」 ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
2022「三島喜美代展」銀座蔦屋書店 GINZA ATRIUM(東京)
2023「三島喜美代-遊ぶ 見つめだす 作り出す」岐阜県立現代陶芸美術館(岐阜)
2023「CADAN:現代美術 2023」ギャラリーヤマキファインアートブース(東京)
2024「三島喜美代―未来への記憶」練馬区立美術館(東京)

【主なグループ展】
2012「言葉と美術が繋ぐものー中原佑介へのオマージュ展」ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
2014「アイデンティティとオリジナリティ」兵庫陶芸美術館
2014「Currents:日本の現代美術(クリスティーズ香港)
2016「台北アートフェア2016」
2017「アートバーゼル香港2017」
2017「クロニクル、クロニクル!」クリエイティブセンター大阪
2018「コレクション2: 80年代の時代精神ツァイトガイストから」国立国際美術館(大阪)
2018「三島茂司・三島喜美代」MEM(東京)
2019「ELLE LOVES ART」展(東京)
2019「台北Dangdai Art &Ideas」(ブース:ギャラリーヤマキファインアート)
2019「こどもおとな―これ、なににみえる?」芦屋市美術博物館(兵庫)
2019「山村コレクション展」兵庫県立美術館(兵庫)
2021「Metamorphosis and Evolution 変容と進化」emmy art+ (東京)
2021「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」森美術館(東京)
2022「MOTコレクションジャーナルvol.2 」東京都現代美術館(東京)
2022「ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に」ポーラ美術館(東京)
2022「戦後の女性アーティスト-1970~2017-」展 ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
2022「森の色」展 ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
2022「ACK(Art Collaboration Kyoto)」ギャラリーヤマキファインアートブース(京都)
2022「Listening to Clay」Joan B Mirviss LTD(ニューヨーク)
2023「開館60周年記念RE:スタートライン1963-1970/2023,現代美術の動向展シリーズに見る美術館とアーティストの共感関係展」京都国立近代美術館(京都)
2023「第11回円空大賞展 共鳴ー継承と想像ー」岐阜県美術館(岐阜)
2023「台北當代2023」ギャラリーヤマキファインアートブース(台北)
2024「Here and There and Back Again, Japanese Art 1964 – 2024」Nicolas Krupp Gallery(スイス)
2024グループ展「レリーフ彫刻から立体表現」ギャラリーヤマキファインアー(神戸)
2024「アーテイストに学ぶ世界のみかた」 芦屋市立美術博物館(兵庫)

【受賞歴】
1963独立賞・須田賞受賞
1964関西独立展 関西独立賞
1965第9回シェル美術賞展佳作賞
1966関西独立展 関西独立賞
1974ファエンツァ国際陶芸展 ゴールドメダル(イタリア)
1988日本現代陶彫展’88金賞
1989国際陶磁器展美濃'89陶芸部門銅賞
1996彩の国さいたま彫刻バラエティ‘96大賞
2001山口県立美術館賞・市民賞、宇部市野外彫刻美術館
2002焼津市長賞
2019Sardi per l’Arte Back to the Future Prize (イタリア)
2019第5回安藤忠雄文化財団賞
2021令和三年度文化庁長官表彰
2022第11回円空賞受賞
2022第63回毎日芸術賞
【作者情報】
三島喜美代

会期2020年10月03日(土) - 2020年10月31日(土) 休廊日 : 日・月曜日
開廊時間11:00 - 13:00 / 14:00 - 19:00  [最終日は17:00まで]
会場ギャラリーヤマキファインアート
所在地〒 650-0022 神戸市中央区元町通 3-9-5-2F
問合せTEL: 078-391-1666  FAX : 078-391-1667  MAIL: info@gyfa.co.jp
アクセスJR ・阪神 元町駅 西口より徒歩 1 分
料金無料