福岡道雄個展「ニッコリ笑っていきましょう」

福岡道雄個展「ニッコリ笑っていきましょう」手前《草を刈る》1976年 部分、後ろ《もういいじゃないですか ニッコリ笑っていきましょう》2003年 部分

ギャラリーヤマキファインアートでは、2022年9月17日(土)から 2022年10月21日(金)まで、「福岡道雄 ニッコリ笑っていきましょう」展を開催いたします。ギャラリーヤマキファインアートでの4年ぶり2回目となる本展では、同名の《もういいじゃないですかニッコリ笑っていきましょう》を中心に、未発表の60年代の貴重なドローイングや、福岡の代名詞として知られるFRP(繊維強化プラスチック)を用いた風景彫刻をご紹介いたします。

コロナ以後の新しい生活のなかで、私たちはこれまで以上に自他が発信する言葉に強い意味や力を敏感に感じ取るようになりました。福岡はそれを先駆けるように、60年代半ばから自身の気持ちを短い言葉で繰り返し記したデッサンを制作しており、イメージや印象が言葉となって他者に広がっていくことを、表現の一部に取り入れてきました。90年代後半には、FRPの表面を「何もすることがない」などの言葉で覆いつくす彫刻する2次的作品の連作にとりかかり、FRPを彫るハードでありながら単純にみえる作業の繰り返しと、素材がもつ石碑のような物質感のコントラストによって、日常と作品制作に対する自己批評に富んだ独自のユーモアに迫りました。福岡は期待感と失望感との間を揺れ動きながら、繰り返す言葉の先に、底抜けな明るさとむなしさを同時に表現しています。

変化し続ける感覚と価値観を通じて福岡の作品を眺めるとき、現在の私たちにどんな反応が起こるでしょうか。本展では、社会の移り変わりを鋭敏に感じ取って制作する福岡のユニークな足跡に、現在の新たな視点から迫ります。


【主な個展】
2022「福岡道雄 展「ニッコリ笑っていきましょう」」ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
2018「福岡道雄 展「黒一色の景観から」」ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
2017「福岡道雄 つくらない彫刻家」国立国際美術館(大阪)
2016「ことばと文字─つくらない彫刻家のその後」ギャラリーほそかわ(大阪)
2013「個展-僕の顔」ギャラリーほそかわ(大阪)
2008「兆 福岡道雄 '70年代から'80年代」信濃橋画廊(大阪)
2008「福岡道雄 水の表情」滋賀県立近代美術館(滋賀)
2005「福岡道雄 腐ったきんたま」信濃橋画廊(大阪)
2005「福岡道雄 笑うミミズ 怒る蚯蚓」アートスペース虹(京都)
2001個展「何もすることがない」 INAXギャラリー(東京)
2000福岡道雄新作展「僕達は本当に怯えなくてもいいのでしょうか」伊丹市立美術館(兵庫)
1979「福岡道雄の世界」大阪府民ギャラリー(大阪)
1958「福岡道雄彫刻個展」白鳳画廊(大阪)

【主なグループ展】
2024グループ展「レリーフ彫刻から立体表現」(ギャラリヤマキファインアート、神戸)
2023「台北當代2023」 ギャラリーヤマキファインアートブース(台北)
2023コレクション展「概念-もの-環境」(ギャラリヤマキファインアート、神戸)
2022「ACK(Art Collaboration Kyoto)」ギャラリーヤマキファインアートブース(京都)
2022「西宮市大谷記念美術館 開館50周年記念 特別展 Back to 1972 50年前の現代美術へ」 西宮大谷記念美術館(兵庫)
2022「MOTコレクションコレクションを巻き戻す 2nd」東京都現代美術館 (東京)
2022「コレクション2:つなぐいのち」国立国際美術館(大阪)
2019「アートバーゼル香港2019」(ブース:ギャラリーヤマキファインアート)
2014「ヨコハマトリエンナーレ2014」(横浜美術館、神奈川)
2013「埼玉県立近代美術館代コレクション展」埼玉県立近代美術館(埼玉)
2012「言葉と美術が繋ぐもの-中原佑介へのオマージュ」ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
1997「国立国際美術館の20年」国立国際美術館(大阪)
1996「日本の美術・よみがえる1964」 東京都現代美術館(東京)
1993「昨日・きょう・明日12  木村光佑・福岡道雄 展」 京都市美術館(京都)
1991「芸術と日常―反芸術 / 汎芸術」国立国際美術館(大阪)
1991「現代日本美術の動勢―立体造形展」富山県立近代美術館(富山)
1986「現代美術の白と黒」埼玉県立近代美術館(埼玉)
1985「彫刻の4人展 清水九兵衛 山口牧生 森口宏一 福岡道雄」和歌山県立近代美術館(和歌山)
1981「第16回サンパウロ・ビエンナーレ展」サンパウロ現代美術館(ブラジル)
1980アジア美術展第2部「アジア現代美術展」
1975「第2回彫刻の森美術館大賞展」箱根彫刻の森美術館(神奈川)
1972「ヴェスビオ大作戦プロジェクト展」南画廊(東京) / イル・チェントロ画廊(ナポリ)
1972「現代美術の鳥瞰展」京都国立近代美術館(京都)
1970「第2回神戸須磨離宮公園現代彫刻展」神戸緑化協会賞 須磨離宮公園(兵庫)
1969「現代世界美術・東と西の対話」東京国立近代美術館(東京)
1968「蛍光菊・現代日本美術展」I.C.A. ロンドン、ロンドン
1967「第2回現代日本彫刻展」宇部市野外彫刻美術館(宇部市)K氏賞
1966「現代美術の新世代展」東京国立近代美術館(東京)
1964「現代美術の動向展」国立近代美術館京都分館(京都)
1963「不在の部屋」展 中原佑介企画 内科画廊(東京)
1963「山口勝弘 多田美波 福岡道雄 共同発表展」新宿第一画廊(東京)
【作者情報】
福岡道雄

会期2022年09月17日(土) - 2022年10月21日(金) 休廊日 : 日・月曜日
開廊時間11:00 - 13:00 / 14:00 - 18:00  [変更の可能性あり]
会場ギャラリーヤマキファインアート
所在地〒 650-0022 神戸市中央区元町通 3-9-5-2F
問合せTEL: 078-391-1666  FAX : 078-391-1667  MAIL: info@gyfa.co.jp
アクセスJR ・阪神 元町駅 西口より徒歩 1 分
料金無料