コレクション展 「反復ーずらす・かさねる・くりかえすー」

コレクション展 「反復ーずらす・かさねる・くりかえすー」

 

ギャラリーヤマキファインアートではこのたび、「反復ーずらす・かさねる・くりかえすー」展を開催いたします。本展では、過去ギャラリーヤマキファインアートで紹介した作品の中から「反復」をキーワードに選定した,7名の作家を展観いたします。それぞれの美術家と本展出品作品にとって、異なる立ちあらわれ方をする「反復」という方法について、新しい見え方を探ろうとする展覧会です。

60 年代末から 70 年代はじめに南仏で起った芸術動向シュポール・シュルファスに参加した ルイ・カーヌ (1943-) 、クロード・ヴィアラ(1936-)は、絵画の枠組みを問い直すことによって、絵画の歴史に革新をもたらしました。作品を覆うように描かれた符号(バツ印や空豆のようなパターン)は、繰り返しのずれによって、絵画の再現性や表現性に対する新しい視点を見る者に提示します。

一方、日本の戦後美術を切り拓いた草分け的存在である松谷武判 (1937-) 、狗巻賢二(1943-) は、ともに「線を引く」という単純な身体的行為の繰り返し(ずらし)が結果=表現としてあらわれる作品を制作しています。線は作品の上で重なり合い、作者の意図を離れて次第に律動をはじめます。彼らの表現は、線に精神的な意味を見い出してきた東洋的表現の今日的なあり方のひとつだと言うことができるでしょう。

また、様々なメディアを横断しながら作品を制作する現代美術家リー・ミンホ(1959-)、田内マリオ(1973-)、柴田精一 (1984-) は、細胞分裂のように画面の中でイメージを複製し、増殖させながら、個別の世界を形作っていきます。作品は徐々に外の時空までも浸食していき、見る者はその内外を出入りしながら時間と空間のダイナミズムを感知することでしょう。彼らは反復を通じて、複雑で容易に目に見えない世界の姿に迫ろうとしています。

本展を通して、コレクションをはじめたい方も、既にコレクションをお持ちの方も、毎日の気持ちが豊かになるお気に入りの一点との出会いがあれば幸いです。是非この機会にご高覧ください。

 

※1月7日(火) より一部展示替えあり

 

 

《出展作家》

【作者情報】
ルイ・カーヌ
クロード・ヴィアラ
リー・ミンホ
狗巻賢二
柴田精一
田内万里夫

会期2019年12月14日(土) - 2020年01月24日(金) 休廊日 : 日・月曜日(年末休廊12月25日~2020年1月6日)
開廊時間11:00 - 13:00 / 14:00 - 19:00  [最終日は17:00まで]
会場ギャラリーヤマキファインアート
所在地〒 650-0022 神戸市中央区元町通 3-9-5-2F
問合せTEL: 078-391-1666  FAX : 078-391-1667  MAIL: info@gyfa.co.jp
アクセスJR ・阪神 元町駅 西口より徒歩 1 分
料金無料