塚脇 淳 ”Drawings+Maquettes”

塚脇 淳 ”Drawings+Maquettes”《2000.Nov》358×169cm

塚脇淳(1952-)は、30年以上にわたり一貫して鉄による抽象彫刻作品を制作してきた作家です。塚脇は、熱を加えることによって自在に変化する棒状の鉄材を、ひたすら叩くことによって流れるような曲線を生み出します。
「鉄をたたくことで得られる反りが作り出す空間を組み合わせ構成する表現と,また一方,そういった構成を考えずに鉄に向かう表現とが振り子のように存在していて,ここ数年はその振り子は後者に大きく振れているように思う。使う材料の形状や方法は前者よりもさらに単純になっている。けれども出来上がった作品は逆に饒舌になっている。『捨てるだけ捨ててしまって,残ったものを表わせ』(塚脇の師匠である師匠辻晉堂による)。この言葉を唯一の手掛かりとして始めた長いながい鉄との旅,今や接続のためのボルトもなくなって1枚の鉄板をぐるぐる巻きにしていくだけになってしまった。けれどもこれが自分の表現にとって大事なことに抵触している感覚がある。その感覚を信じて進むしかない。」
と塚脇自身が言うように、鉄という素材と作家のたたく力とが合わさるなかで、その作品からは塚脇にとって必要でない素材、メソッドといったありとあらゆるものがそぎ落とされていきます。そうして彫刻された作品たちは、全て同じ素材であるにも関わらず、ひとつひとつが異なる言葉をもって静かに私たちに語りかけてくるようです。
本展では、対になるドローイングと彫刻作品を一緒に展示することにより、設計図が作品に、作品が設計図に「振り子」のように変化していきます。また、作家がアメリカ滞在中に制作された未発表の作品から、初期の作品などが一同に集められ、あたかも作家のアトリエにいるかのような親密な感覚を私たちに与えてくれます。この機会に、ご高覧いただければ幸いです。

Chapter Ⅰ /2011 年 6 月 18 日(土)~ 7 月 2 日(土)
Chapter Ⅱ /2011 年 7 月 12 日(火)~ 8 月 13 日(土)


【主な個展】
1987第16回現代日本美術展(東京都美術館/京都市美術館)
1988アート・ナウ’84(兵庫県立現代美術館)
1992塚脇淳彫刻展・鍛えられた鉄(札幌彫刻美術館)
1995第3回美濃加茂彫刻シンポジウム’90(美濃加茂市前平公園)
1999アーティスト・イン・レジデンス(BEMIS Center for Contemporary Arts, Omaha, U.S.A.)
1982WORK IN(CAP HOUSE、神戸)
2000TEMPORARY GALLERY(神戸大学)
2003西脇市岡之山美術館(兵庫)
2005関西コンテンポラリーアートラボラトリー(尼崎)
2007From The Earth Project(西宮市大谷記念美術館)
2018「仁川で創る  JUN TAMBA works in INCHEON」仁川官洞ギャラリー(韓国)

【主なグループ展】
2017「拡がる彫刻  熱き男たちによるドローイング展」BBプラザ美術館(神戸)

【受賞歴】
1985PENZA 国際彫刻シンポジウム(RUSSIA、PENZA)
1987神戸ビエンナーレ海上アート展(神戸)
19871982   第5回エンバ賞美術展 優秀賞
2001第1回三田彫刻コンペティション 大賞受賞
【作者情報】
塚脇 淳

会期2011年06月18日(土) - 2011年08月13日(土) 休廊日 : 日・月曜日
開廊時間11:00 - 13:00 / 14:00 - 19:00  [最終日は17:00まで]
会場ギャラリーヤマキファインアート
所在地〒 650-0022 神戸市中央区元町通 3-9-5-2F
問合せTEL: 078-391-1666  FAX : 078-391-1667  MAIL: info@gyfa.co.jp
アクセスJR ・阪神 元町駅 西口より徒歩 1 分
料金無料