展覧会

福岡道雄 展 

福岡道雄 展 

2025年02月15日(土) - 2025年03月15日(土)

2025年2月15日(土)- 3月15日(土)

ギャラリーヤマキファインアートでは、2025年2月15日(土)から3月15日(土)まで、福岡道雄 展を開催いたします。2023年11月、惜しくも87 歳で逝去した彫刻家・福岡道雄を偲び、本展では過去の回顧展で紹介されてこなかった60年代の貴重なドローイングや写真、福岡の代名詞として知られるFRP(繊維強化プラスチック)を用いた風景彫刻をご紹介いたします。

オルデンバーグからの贈り物〉1968 /40.7×32/ドローイング

福岡道雄は1936年に大阪府堺市に生まれ、大阪市立美術研究所で彫刻を学び、1950年代後半に石膏と砂を用いた彫刻で作家としてのスタートを切りました。60年代には廃材を用いた棒状の彫刻群「何もすることがない」を発表。高度成長期の最中、世間が活気づいているのとは裏腹に、福岡は「時代の徒労感、シラケが強くあった」といいます。このときの何もしたくないという感情が「何もすることがない」という言葉の表現に繋がっていったと語っています。その後、福岡はドローイングや写真といった異なる表現を横断しながら、日常と作品制作に対する自己批評に富んだユニークな作品制作を続け、90年代には、FRPで覆われた表面に「何もすることがない」という言葉を電動彫刻刀で繰り返し刻んだ作品へと至りました。期待感と失望感との間を揺れ動きながら、繰り返す言葉の先に、底抜けな明るさやユーモア、人生観が感じられます。

〈草を刈る〉1976 /30x26xh67/FRP、木

空を見上げたり、草をむしったり、釣りをしたり、制作の合間にゆっくりと自然を感じることを大切にしながら「何もすることがない」のその先を表現してきた福岡。合理的なアップデートを続ける現代社会に、鋭い疑問を投げかけ続ける福岡道雄の作品世界を、是非この機会にご高覧ください。

〈何もすることがない・7月 (KUSAMA)〉1999 /90.5×92/FRP,木