2011年、美術大学の学生を対象とした現代美術アワードとして数々の注目作家を生んでいる「アートアワード東京2011」に選抜され、京都市立芸術大学の大学院卒業後もその活動の幅をますます広げる期待の若手作家です。 桐月沙樹の作品は、木の板の上に一つのモチーフを反復させて刷り込んでおり、強く浮き出た有機的な木目は反復させたモチーフの色の定着を阻み、ときにはそのモチーフに模様を与え、またときにはその一部を切り取ってしまいます。そうして画面全体に流れる木目がモチーフを見せたり隠したりする様子は、舞台の上に下がる幕の前後に現れては消えていく踊り手のような、つかみどころの無いモチーフをつくりだしています。一見自然の産物としての木に翻弄されるように見えながらも、同時に共同作業を演じることで、桐月の作品は構成されているのです。
---------------------作品情報
作者経歴
1985
兵庫県生まれ
2009
東京造形大学絵画科版表現専攻修了
2011
京都市立芸術大学大学院美術研究科版画卒業
2008
英国西地区大学ブリストル校 / イギリス
主な個展
2012
「桐月沙希展」ギャラリーヤマキファインアート
2019
「桐月沙樹展」アートゾーン神楽岡(京都)
主なグループ展
2010
「アート大阪 2010」ブース:ギャラリーヤマキファインアート(大阪)
2013
「京展2013」京都市美術館(京都)
2018
「七月あたりの堂東さんと桐月さんと宮田さん。七と青について」ギャラリー恵風(京都)
2019
Smooth Accident 踏み外された版画の展覧会 vol.1
2019
藝文京展EX つなぐ
2019
西風のグラフィックスⅢ
2019
「台北Dangdai Art &Ideas」ブース:ギャラリーヤマキファインアート(台湾)
2020
「CADAN: 現代美術 2020」ブース:ギャラリーヤマキファインアート(東京)
主な受賞暦
2009
第2回シルクスクリーン国際版画ビエンナーレ/佳作
2010
第16回鹿沼市立川上澄生美術館木版画大賞/入選
2010
全国大学版画展/買い上げ保存賞