久保 寛子個展「ヒト新世の群像 ― A Group Portrait of Anthropocene ―」

久保 寛子個展「ヒト新世の群像 ― A Group Portrait of Anthropocene ―」《ヒト新世の群像-A Group Portrait of Anthropocene-》2022 ブルーシート、シート紐、ハトメ、糸、鉄

ギャラリーヤマキファインアートでは、気鋭のヴィジュアルアーティスト、久保寛子の個展を開催いたします。幣廊で2度目の個展となる本展では、久保がヱビデンギャラリー(広島)で2022年1月に発表をした「ヒト新世の群像-A Group Portrait of Anthropocene-」を中心に、新作と合わせて紹介いたします。

久保寛子は、1987年広島県生まれ、テキサスクリスチャン大学美術修士課程を修了後、現在広島県を拠点に活動しています。先史芸術や民族芸術、文化人類学の学説に取材しながら、生活に身近な素材を用いて農耕や偶像をテーマに制作される久保の作品は、「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.10 ここに境界線はない。/?」(高松市美術館、2022)「さいたま国際芸術祭」(2020)、「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2020」、「いのち耕す場所−農業がひらくアートの未来」(青森県立美術館、2019)、「まつり、まつる」(スパイラルガーデン(東京)、2018)、などで、その土地の環境に呼応しながら、人間の創造的な営みや想像力のダイナミズムを見る者に示してきました。同じ大地で暮らし、先史時代から連綿と続いてきた創造の歴史の先を生きる現代の私たちは、何を受け継ぎ、何に無関心であるのか。遠い過去の想像力と切り結びながら、先史時代を生きた祖先と、現代の私たちの生活との関係を巡り生み出される久保の作品は、見る者の原初的な創造力を奮い起こします。

久保は今回、ブルーシートを素材にした巨大な作品を、新たなインスタレーション作品として、画廊の中いっぱいに繰り広げます。キーワードは「ヒト新世(Anthropocene)」。人類の活動が、かつての小惑星の衝突や火山の大噴火に匹敵するような地質学的な変化を地球に刻み込んでいることを表す地質学の造語です。

本展では、独自の彫刻的視点から、神話や歴史を紐解き作品を展開してきた久保が、私たちの現在と未来における創造を問おうと試みます。目の前に展開された群像図は、死と生、破壊と建設、非日常と日常が混交となり、現代社会を生きる新しい人間の物語として、見る者の前に立ち現れることでしょう。関西初展示となる意欲作をぜひご高覧下さい。


【主な個展】
2009「Human Acts」Art Space HAP(広島)
2011「歴史的人間」公益財団法人泉美術館(広島)
2013「現代農耕文化の仮面」広島芸術センター(広島)
2017「フリコラージュの女神」ギャラリーG(広島)
2020「Wisdom of the Earth」ヒロセコレクション(広島市)
2020「Wisdom of the Earth―大地の知恵―」ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
2022「ISAAC」LOKO Gallery(東京)
2024「久保寛子展「鉄骨のゴッデス」」ポーラ ミュージアム アネックス(東京)

【主なグループ展】
2013「Texas Biennial」ブルータス現代美術館(サンアントニオ)
2014「拡張する地平線ー日本現代美術展」53美術館(広州)
2016「瀬戸内国際芸術祭 2016」小豆島三都半島(香川)
2017「六甲ミーツ・アート 2017」六甲山(兵庫)
2018「まつり、まつる」スパイラルガーデン(東京)
2019「いのち耕す場所ー農業ひらくアートの未来」青森県立美術館(青森)
2020「さいたま国際芸術祭2020」公募キュレータープロジェクト 「I can speakー想像の窓辺から、岬に立つことへ」展アネックスサイト(埼玉)
2021「高松コンテンポラリーアート・アニュアルvol. 10 ここに境界線はない。/?」(高松)
2023「ロマンチック台三線芸術祭」客家文学ガーデン(台湾)

【受賞歴】
2017六甲ミーツ・アート 公募 大賞受賞
【作者情報】
久保 寛子

会期2022年06月04日(土) - 2022年07月09日(土) 休廊日 : 日・月曜日
開廊時間11:00 - 13:00 / 14:00 - 18:00 
会場ギャラリーヤマキファインアート
所在地〒 650-0022 神戸市中央区元町通 3-9-5-2F
問合せTEL: 078-391-1666  FAX : 078-391-1667  MAIL: info@gyfa.co.jp
アクセスJR ・阪神 元町駅 西口より徒歩 1 分
料金無料