コレクション展「Summer Trip」

コレクション展「Summer Trip」

 ギャラリーヤマキファインアートではこのたび、コレクション展「Summer Trip」を開催いたします。コロナウイルスの流行で外出もままならない今日、芸術の力は私たちを想像の旅へと駆り立てます。本展では、過去ギャラリーヤマキファインアートで紹介した作品の中から「旅」をキーワードに選定した、十数点を展観いたします。旅に思いを馳せながら、アーティストたちの思考の旅路を追体験してみましょう。

 

 アーティストにとって、旅は常にインスピレーションの源です。時空を旅しながら、アーティストはユニークで観念的な光景を作り出します。ジャン・ル=ギャックと福岡道雄の作品には、旅の記憶がイメージとテキストによって記録されています。彼らは、旅を通じて深まっていく思考の軌跡をストレートに表現しながら、ユニークな内面世界を形作ります。

 時間を超越する旅に出かけた河口龍夫は、現代的な素材と技法を用いながら過去とのコミュニケーションを試みます。彼の時間旅行は、古代と現代の我々の創造性を繋ぐ普遍的なエネルギーを見出そうとする行為です。 

 一方、ルイ・カーヌにとって旅は、フランスの風土を再発見する過程になぞらえることができます。革新的な素材や空間表現を用いながら、彼は自国の文化で育まれてきた伝統的な色彩と造形を見出しました。伝統を見つめなが生み出された進歩的な風景画は、新しい美術の動向を形成しました。

 また、今日のコロナウイルスの流行は、あらゆる局面で私たちの生活スタイルに大きな変化をもたらしています。旅に対する高揚感や期待感を素直に表現したリ・ミンホとヨルグ・レーマンの写真は、見る者の心を小旅行へと誘います。旅人は自らの心を風景に投影することによって、自らの精神を自由に羽ばたかすことができます。

 また、生島国宜と中山明日香は、日常を旅するように、現在の生活をユニークな視点で観察しています。彼らの作品は、我々のまなざしを慣れ親しんだ日常から、新たな日常へと誘う独創性に溢れるものです。

 

  本展は、アーティストの作品制作を「旅」という行為に見立てることによって、それぞれ異なる制作方法や感性を鮮明に浮き上がらせようとするものです。アーティストが見つけた様々な居場所を見比べることで、観念的な風景や地域の風土、日常生活に視線を注ぐ、アーティストたちの新たな側面をご紹介いたします。

 是非この機会にご高覧ください。

 

※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大等、社会情勢を踏まえまして展示期間、営業時間を変更する場合がございます。HPにてお知らせいたしますので、何卒ご理解とご協力をお願い致します。

 

 

【作者情報】
リー・ミンホ
ジャン・ル・ギャック
河口 龍夫
福岡道雄
ヨルグ・レーマン
中山明日香
生島国宜

会期2020年08月18日(火) - 2020年09月25日(金) 休廊日 : 日・月曜日
開廊時間11:00 - 13:00 / 14:00 - 19:00  [最終日は17:00まで] 
会場ギャラリーヤマキファインアート
所在地〒 650-0022 神戸市中央区元町通 3-9-5-2F
問合せTEL: 078-391-1666  FAX : 078-391-1667  MAIL: info@gyfa.co.jp
アクセスJR ・阪神 元町駅 西口より徒歩 1 分
料金無料