柴田精一は、切り紙を重ねて複雑かつ繊細なイメージを生みだす紋切重(もんきりがさね)シリーズや、きわめて薄い木の板を用いたレリーフ作品、実物を越えるまでに徹底して模造を行った立体作品などを発表し、現在注目を集めている若手作家です。表現手法としては様々なメディアを用いている柴田ですが、一貫して追及しているのは、ものがもつ個性であるといえます。
例えば紋切重シリーズでは、柴田は紙に色をつける/折る/切る/重ねるといった共通するプロセスから、無限のイメージのバリエーションを生み出します。それは、人間の顔がみな同じパーツを持っているにもかかわらず、一つとして同じ顔がない、という個のあり方に似ています。
また、レリーフのコンビニと神社は、部屋の片隅に沿うように直角の形に組み立てられ、安心感を与えたり、人が集まる場所、というコンビニ・神社・部屋の隅に共通する個性を指摘しています。さらに立体作品においてはひたすら対象をみつめることにより、その対象を単なる「もの」から個性をもつ「生き物」へと変える糸口を探り出そうとしています。こうした柴田による「個」への多彩なアプローチは視覚化され、私たちの世界に隠れている「個」のあり方を、新鮮な驚きとともに見せてくれます。
本展では、以上のような作品群に加え、作家初の試みとなる新作の平面作品をご紹介いたします。さらに、会場ではこうした初期作品から現在に至るまでの作品の数々をインスタレーションとして構成し、展示を行います。この機会にご高覧いただければ幸いです。
【主な個展】
2023「柴田精一版画展」KOBE STUDIO Y3 (C.A.P.)、神戸
2022「柴田 精一 展 / 手の意思」KOBE STUDIO Y3 (C.A.P.)、神戸
2019「柴田精一 新作展」ギャラリーヤマキファインアート、神戸
2016「柴田精一 新作展」ギャラリーヤマキファインアート、神戸
2015「柴田精一展」ギャラリーヤマキファインアート、神戸
2012「ねじれ世界をねじあける」ギャラリーほそかわ、大阪
2011「柴田精一展」ギャラリーヤマキファインアート、神戸
【主なグループ展】
2024「レリーフ彫刻から立体表現」ギャラリーヤマキファインアート、神戸
2024狗巻賢二×柴田精一「縄文線のような」-狗巻賢二オマージュ- 展ギャラリーヤマキファインアート、神戸
2024「Kaleidoscope:藤井俊治/柴田精一」京都精華大学ギャラリーTerra-S、京都
2023グループショウ「30-40」(サーティフォーティ)KOBE STUDIO Y3 (C.A.P.)、神戸
2022「Chemical Reactions7」Space31、神戸
2022現代アート公募展「assembly」ジョブ・スペース・ラボ、神戸
2018「ARTISTS' FAIR KYOTO」京都府京都文化博物館別館
2011「画廊イチオシ・ニオシはこの作家」アートホール神戸(ギャラリーヤマキファインアート・ブース)
2011「ほんをさがして」ギャラリーほそかわ、大阪
2010「1 floor 2010 質朴/技術」神戸アートビレッジセンター、神戸
2009「visible and invisible」MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w、京都
【作者情報】
柴田精一
会期2011年11月18日(金) - 2011年12月24日(土) 休廊日 : 日・月曜日
開廊時間11:00 - 13:00 / 14:00 - 19:00 [最終日は17:00まで]
会場ギャラリーヤマキファインアート
所在地〒 650-0022 神戸市中央区元町通 3-9-5-2F
問合せTEL: 078-391-1666 FAX : 078-391-1667 MAIL: info@gyfa.co.jp
アクセスJR ・阪神 元町駅 西口より徒歩 1 分
料金無料