展覧会

キリコ展「school goods」

キリコ展「school goods」

2021年03月06日(土) - 2021年04月09日(金)

★オンライントーク:3月13日(土)13:00-14:00
キリコ  ×  T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO ファウンダー 速水惟広
※参加ご希望の方はご予約下さい。(info@gyfa.co.jpまで)

 

 ギャラリーヤマキファインアートは2021年3月6日(土)〜4月9日(金)、弊画廊では2度目となるキリコの個展を開催いたします。
 キリコは1978年京都生まれ、神戸を拠点に活動する写真家・美術家です。第32回キヤノン写真新世紀佳作(荒木経惟 選)、ミオ写真奨励賞2010入選。2015年 London International Creative Competition(LICC) などを受賞。写真や映像で自身の親密な人間関係を記録することで、彼女自身の個人的体験を通した「女性らしさ」を描出してきました。そして近年、出産し、母親になったことで、彼女自身を取り巻く環境は大きく変わりました。
 本個展で展覧される一連の新作「school goods」では、母親になり違和感を覚えた、日本の伝統となっている手作りの学校用品。これらを通して社会に根付いた「母親」像や「母性」の意味を改めて捉え直します。作品のきっかけとなったのは、作家個人が「母」として経験したある出来事です。子供が幼稚園に入園できる年齢になると、保護者たちには、幼稚園用の小物を用意するようにと、細かい指示を出されます。その小物はすべて、大きさや細部に指定があるため「手作り」でなくてはなりません。ミシンすら持っていなかった彼女にとって、「手作り」が母親の当然の義務だとされることは、どこか居心地の悪いものでした。
 社会的性差や子育ての概念が変わっても、日本では、母親が手作りの習い事袋や巾着袋を作ることが未だに求められています。カラフルな色や柄で日常に溶け込んでいる為、気づかれにくいですが、その形やデザインは50年以上前からほとんど変わっていません。キリコは母親たちが作り続け、ほとんど注目されることのない、これらの手作りバッグに目を向けます。時代を超えて受け継がれてきた手作りバッグの形は、作家にとって、社会から漠然と期待される目に見えない「母親」像の具現であると共に、変わらない「母性、母の愛」の証でもあります。伝統的な手作りの「school goods」を型取り、並べ、作品とすることで、作家は通念化している「母」の観念を可視化し、新たに文脈化しようとします。
 そこに見て取れるのは、日本の現代社会において漠然と期待されてきた「母親」の役割への対峙だけではありません。作家自ら経験する母たちの「愛」を、集合的かつ普遍的な「母のかたち」としてもう一度拾い上げようとする、作家の内的な眼差しもまた感じ取られるのです。

 キリコの繊細な感受性をもって表現する世界観を是非ご高覧ください。

本展「school goods」は石膏作品10点、刺繍作品5点、コラージュ作品5点で構成されております。

 

プレスリリース

 

(左)《印象化石(うわばき入れ 1980)》2021年 石膏、標本箱507 x 418 x 55 mm
(中)《印象化石(コップケース 2000)》2021年 石膏、標本箱250 x 200 x 55 mm
(右)《印象化石(おけいこバッグ 1981)》2021年 石膏、標本箱418 x 507 x 55 mm