展覧会

林勇気「やすみのひのしずかなじかん」

林勇気「やすみのひのしずかなじかん」

2019年10月19日(土) - 2019年11月29日(金)

 

 

ギャラリーヤマキファインアートは、10月19日(土)より、林勇気「やすみのひのしずかなじかん」を開催いたします。林勇気は関西を拠点に活動する映像作家で、国内外の美術展や映画祭に出品しています。

 林は、1976年に京都市に生まれ、1997年に映像制作を始めました。自身で撮影した膨大な量の写真をコンピューターに取り込み、切抜き重ね合わせることでアニメーションを作る彼の制作スタイルは、デジタルなメディアやインターネットを介して行われる現代的なコミュニケーションや記憶のあり方を思い起こさせます。作品は、記憶の断片化、デジタル画像の共有と流通・消費について、壮大な世界観で表現され、始まりや終わりのない、まるで浮遊しているかのように流れる映像は、素材となる膨大な量の画像・写真を通して、それが自分とどこかでつながっているのではないか、深い部分でリンクしているのではないかと私たちの日常生活の視覚経験に訴えかけます。

これまでデジタル技術を駆使して記録や記憶の在り方を探ってきた林は、近年、映像メディウムの脆弱さ・成立条件や知覚体験について問い直すことを試みます。弊画廊での2016年個展「image data」においては、デジタルデータとしての映像の成立条件に加えて、非物質性、受容や消費のあり方に対する意識をより先鋭化させていきます。

さらに、2018年にドイツにて映像作品のアーカイブについての調査を行い、その経験を元に映像作品の保存形式(の複数性)と時間軸という観点へと広がりをみせ、プロジェクターや再生機の存在自体を作品に取り込み、デジタルデータとしての映像をピクセルの数値に還元するなど、映像メディアの成立条件に対して様々な表現に取り組み、更なる発展を見せます。

本展「やすみのひのしずかなじかん」は、林が子供の頃に書いた架空の地図を見つけた事から2007年に制作した作品です。それは、今ではほとんど使われていない、ビデオカメラやデジタルカメラ・PCなどを使って制作した映像作品です。今回、この映像を分析・解析し、現在の映像機器で全ての素材を撮影し直し、現在の映像フォーマットとPCとアプリケーションによって、出来る限り忠実に高解像度の映像に制作しなおします。

作品であるデジタルデータの映像には、時代の変化に呼応して、常に保存、復元と再現、映像機器と映像フォーマットという事柄がつきまといます。デジタルデータはどのように保存・復元、再現され、未来へと継承されていくのでしょうか。「様々な事を反射させながら、過去と現在の交差と接続を試みます。」という林、映像の保存、復元と再現、映像機器と映像フォーマット、アップスケーリングなど、様々な差異が前作との共通項やズレを生み出し、新たな「やすみのひのしずかなじかん」があらわれるでしょう。

今注目のアーティストの一人である林勇気の新たな展開をこの機会にぜひご高覧ください。

 

《イベント》

10月19日(土)17:00-19:00 オープニングパーティー(作家 林勇気 在廊)

10月26日(土)14:30- アーティストトーク 林勇気×大下裕司(大阪中之島美術館準備室 学芸員)