展覧会
中辻悦子&ケイト・ヴァン・ホーテン 展
左:ケイト・ヴァン・ホーテン<化石>2005年 右:中辻悦子<記憶の残像 -ひとのかたち->2020年©Etuko Nakatsuji , Courtesy of the Artist and BLUM Los Angels, Tokyo, New York
2025年6月20日(金)- 7月25日(金)
中辻悦子、ケイト・ヴァン・ホーテン展
「ひとのかたち」を描き続けながら人間の存在に迫ろうとする中辻と、自然や物質と対話しながら素材の本質的な美に迫ろうとするケイト。一見すると彼女たちの視線は人間と物質という異なる対象に向けられているかのように見える。しかし、目に見えている姿やかたちを超えて、常に揺らぎ変化していくもののなかに「新しい」かたちを見出そうとする創作姿勢には、共通する意識を感じることができる。対比的に展示しながら、それぞれの独自性を展覧会で見せていきたい。
中辻悦子 CV
1937年大阪府に生まれた中辻は、高校を卒業すると同時に株式会社阪神電鉄百貨店部に入社し、のちに宣伝課でグラフィックデザインを担当するようになります。仕事の傍ら美術サークルに入り、人体デッサンを中心に油彩作品などを制作しました。「第5回現代日本美術展」に出品した1962年に退職し、創作活動へと入ります。
Kate van Houten(ケイト・ヴァン・ホーテン) CV
ケイト・ヴァン・ホーテンはアメリカ出身、パリを拠点に多岐に様々な媒体で創作を続けるアーティスト。初期の絵画作品においては、ミシン糸を用いた抽象画や風景画に始まり、ドローイングや版画など多様な表現方法を実践。青と黄によるパワフルな抽象画の作品群を経て、1990年代には石の彫刻作品へと新境地を開く。石のかたちを「見出す」ことによって形づくられるヴァン・ホーテンの彫刻は、抽象的でありながら生命を感じさせる、優美で有機的な性質を備える。多様な媒体を用いることで、彼女は自然と物質へのあくなき探究を行い続ける。彼女自らのインスピレーションが様々な物質と呼応しあうことで生み出された作品群は、一つの空間で呼応しあい、彼女自身の想像力と世界観を色濃くあらわしている。