展覧会

中山明日香 展 Asuka Nakayama: "disaster" oil on painting, F100, 2024

中山明日香 展 

2024年10月30日(水) - 2024年12月04日(水)

2024年10月30日(水)- 12月4日(水) 

ギャラリーヤマキファインアートではこのたび、「中山明日香展」を開催いたします。当ギャラリーでの5回目となる本個展では、「侵食」をキーワードに、人間と自然、親と子、社会と個人など、「互いに影響し合うもの」の関係に迫った新作をご紹介いたします。

 

中山はこれまで、「相互に共存と支配が入り交じる人間と自然の関係」に注目し、家具が整然と置かれた生活空間と草木が生い茂る自然の風景が一体となった、幻想的な光景を描いてきました。自然災害や環境破壊など、人間と自然が互いにせめぎ合う関係を注視する中山の視線は、家庭を持ち、社会との接点が減少していくことを日々感じつつ子育てに奮闘するなかで、次第に自らの生活にも向けられるようになりました。

中山は、《「多様性」という標語が浸潤してきた昨今、その標語を盾に他者への侵食が様々な議論と炎上を巻き起こす社会を見ていて、一個人、家庭、社会、国家間のその関係性はそんな変わらないように思うと、私の日常生活も壮大な気持ちにもなるような、滑稽な気持ちにもなる。》といいます。

親と子や社会と個人の関係を新たな主題に制作に取り組んだ作品は、異なる価値観をもつ他者や、変化し続ける社会や生活との関わり方にもがきながらも、懸命に対話の場を求めようとする現代の私たちの内面を象徴的にあらわしているようにも見えます。

 

中山明日香は1986年兵庫県に生まれ、京都市立芸術大学大学院を修了後、兵庫県を拠点に活動しています。2015年に、西脇市岡之山美術館で自身初となる美術館での個展開催や、若手平面作家の登竜門として知られる「VOCA展」(上野の森美術館、2019年)への出品、京都府新鋭選抜展(京都文化博物館、2021年)で京都新聞賞を受賞するなど、ユーモアと批評性に富んだ作品で注目を集めています。中山が「今描くしかない」と語る意欲作を、是非この機会にご高覧くださいませ。