展覧会
芝高康造 展
2026年9月11日(金)- 10月10日(土)
この度、ギャラリーヤマキファインアートでは、現代美術家・銅版画家として長年独自の表現を追求しつづける芝高康造の個展を開催いたします。当ギャラリーにおいて、4度目の開催となる本個展では、モノタイプを中心に、芝高の変幻自在な線の表現と、その魅力を伝える作品をご紹介いたします。
1948年、大阪市に生まれた芝高康造は、武蔵野美術短期大学を卒業後、一貫して銅版画制作に重きを置いてきました。国内外の国際版画ビエンナーレ等でも高く評価されてきた表現の核にあるのは、酸などの腐食液に頼らず、ビュラン※を用いて銅板を直接力強く彫り込む「直彫り(エングレービング)」の技法です。
一見すると静謐な画面ですが、近づいて見れば見るほど、鋭く緊張感を帯びた一本一本の線の密度に圧倒されます。作家が身体を傾け、全身の体重を使って自らの手で硬質な金属を削り出すことで生まれる線は、幾重にも重なり合い、画面に独自のリズムと深い奥行きを生み出しており、見る者に強い生命力を感じさせます。
無数の彫り跡に目を凝らすとき、私たちは、作家が銅板という物質に直接刃を入れた、生々しい手の軌跡と強靭な意志をまざまざと体感することになります。デジタルな表現が溢れる現代において、硬質な金属の抵抗を受け止めながら、全身全霊で一本の線を刻み込んでいくそのプロセスは、まさに「身体と物質の対話」そのものといえるでしょう。
彫り跡の一筋一筋に宿る圧倒的な手仕事の気配は、写真や画面越しでは決して伝わりません。物質のなかに人間の手と意志を刻み込んだ、身体の芯に迫ってくるような強烈なリアリティを放つ作品を、ぜひ会場でご体感ください。
※ビュランとは、先端が斜めに切断された鋭い彫刻刀のことであり、銅版画技法の名称にも用いられています。非常に高度な技術と多くの労力を要する手法であり、ビュランを用いて直接版を彫り進めていくエングレービング技法を指します。
シテール島へⅦ, 2014, Béran Arsh250G, Monotype print, Burin, 36×36 cm, ©Kozo Shibataka
ナギサ7B, 2014, Béran Arsh 250G, Beran Alsi 250G, Monotype Print, Burin, 56.5×76 cm, ©Kozo Shibataka
draw2, 1979, Pencil, paper, 47.0×63.9 cm, ©Kozo Shibataka








