展覧会
中山明日香 展
2025年9月26日(金)- 11月1日(土)
ギャラリーヤマキファインアートではこのたび、「中山明日香展」を開催いたします。当ギャラリーでの6回目となる本展では、学生時代に制作されたダイナミックな大型作品から、近年、子育ての日々の中で生まれた内省的で繊細な小作品まで、幅広い表現を一堂にご紹介いたします。作家として、そして一人の母としての経験を通して育まれてきた中山明日香の創作の軌跡をたどる、貴重な機会となります。
中山は一貫して、人が自然とともに生きながら、時にそれを自らの都合で支配しようとする矛盾した関係に目を向けてきました。このテーマは、近年取り組んでいる子育ての中にも通じるものであり、思い通りにならない他者と向き合い、共に暮らすという営みと深く重なっています。そうした視点の変化は作品にも静かに反映され、幻想的な風景の中に、現実の生活に根ざしたまなざしが織り込まれています。
また本展では、中山が日常生活の中でふと抱いた違和感や疑問を出発点に、それらをシュールな視点で素直に描いた作品群にも焦点を当てています。何気ない風景や行為の中に潜む不確かさや不条理を、ユーモアや象徴性を交えて表現する彼女のアプローチは、鑑賞者の想像力を刺激し、現実の見え方に静かな揺らぎを与えます。
その創造力と着眼点は高く評価されており、2008年「via art OSAKA 2008」でのdigmeout賞を皮切りに、2010年京都市立芸術大学作品展での市長賞、2021年京都府新鋭選抜展での京都新聞賞、そして近年では2024年に「亀高文子記念-赤艸社賞」を受賞するなど、着実に評価を高めてきました。
本展では、キャリア初期から今日に至るまでの代表作を通じて、中山明日香の作品に通底するテーマとその深化の過程をたどります。作品の背後にある個人的な気づきと、普遍的な問いとが交差する展示空間を、ぜひご体感ください。