展覧会

木村鐡雄

木村鐡雄

2021年04月29日(木) - 2021年05月28日(金)

ギャラリーヤマキファインアートは2021年4月29日(木)〜5月28日(金)まで、関西および弊画廊では初となる木村鐡雄(きむらてつお1921-2017)の個展を開催いたします。木村は、1921年に大阪市住吉区に生まれました。中学卒業後の1939年に上京し、乃木坂の同舟舎デッサン研究所に通い本格的に絵を学び始めました。翌年、東京美術学校(現 東京藝術大学)油画科に入学。1943年に同校を繰り上げ卒業後、下関の陸軍高射隊に入隊し下関で終戦を迎えました。1946年には画家活動を開始。1950年代にはパリ・ローマ・ハイデルベルグ・アテネ・マドリード・モロッコなどを訪問し、パリではグラン・ショミエール研究所に籍を置き、新しい表現を会得、深化させていきます。このころパリで起こっていた、画面上の物質感や手跡を強調するアンフォルメルの動向は、戦後激動の時代を船で旅し、自己の発掘・表現の幅を模索していた木村にとって、その後の作品表現に多大な影響を与えたことでしょう。最終的に訪れたシカゴでは、現地で集めた砂やエナメル、ボードを用いて作品を発表し、その後に繋がるミクストメディアの手法を確立していきました。

世界を股にかけて活動していた木村ですが、帰国後は東京を拠点として、女子美術大学で教鞭をとりながら「立軌会(りゅうきかい)」や「アンチーム」等のグループに所属、精力的にグループ展や個展を開催、同時期に注目を集めた読売アンデパンダン展などには参加せず、独自の道を歩んでいきます。

1995年には、偶然訪れた掛川市国安の菊川河口付近の風景に魅せられ、74歳で東京から国安へ移住、以降は国安の地で作品制作を続けました。「抽象と具象の堺もなく、立体と平面、油彩と水彩とパステル等、画材の制約を乗り越えて、色彩と明暗とマチエールのハーモニーで美の世界を作曲したい」という言葉どおり、造形芸術の新しい可能性と領域を追求し続けました。

  本展は、木村の心の故郷である関西の地で、ご遺族の協力により開催される大変貴重な機会です。活動初期である1960年代の《モノクロームの街 A》や、《○×⌼》など、約十数点を展覧し木村の軌跡をたどります。

主に戦後美術を紹介してきた弊画廊が、これまで美術の文脈の中で光を当てられずにいた木村の活動をひもとくことで、戦後美術史への新たなアプローチの一助となれば幸いです。関西初となる個展、生涯心を注いだ木村の作品をぜひご高覧ください。

企画協力会社:株式会社エミ―

「○×⌼」 1985年 51×65cm アクリル、ミクストメディア、ボード